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農家のやる気まんまんブログ


by bseqfbef7y

地球温暖化時代の津波(産経新聞)

【ソロモンの頭巾】

 ちょうど50年前にマグニチュード(M)9・5という史上最大の超巨大地震が起きたチリで先月27日、再びM8・8の巨大地震が発生した。

 われわれは、津波が時速700キロというジェット機並みの猛スピードで、地球の裏側から太平洋を渡ってくることを知っている。それは、1960年5月のチリ地震津波の苦い体験を踏まえてのことである。

 今回も同じように津波がやってきた。そのルートには面白い原理が働いているという。

 地球儀の南極と北極が経線で結ばれているように、チリ発の津波は、球面上を進むと自動的に対極点に近い日本列島へ集まりやすいという性質だ。

 津波は、地震を起こした海底地形の上下変動によって発生する。M8クラスの巨大地震なら断層面は、縦横数百キロの広がりを持っている。

 水深5千メートルでも、断層面の広さに比べると、海水の厚みは、ごくわずかだ。だから海底での上下方向の変動は、そのまま海面まで伝わる。

 せり上がった海水塊は、次に沈む。この海面の上下動が津波の源だ。発生場所の海が深いほど上下に動く海水の体積が膨大になるので、運動エネルギーも怪物じみたものとなる。

 津波は深い海を横切るときほどスピードをだしやすい。平均水深4千メートルの太平洋なら時速700キロ強で進む。日本から約2万キロ離れ、地球の裏側に位置するチリからでも、ほぼ1日で到達する計算だ。

 日本の大陸棚に到達して海が浅くなると津波の速度は新幹線並みになる。海岸線ではもっと遅くなるが、それでも乗用車の速度は保っている。遅くなった分、波の高さは増している。

 また、津波は普通の波とは違う。普通の波の断面を小山にたとえると津波のそれは、台地なのだ。だから津波が押し寄せる力は圧倒的に強い。V字谷の地形の高所まで駆け上るのは、そうした性質のためである。

 港の岸壁を50センチの海水で覆った程度でも、津波の流れは強いので、逃げ遅れた人は足元をすくわれる。転倒すると立ち上がれずに溺(おぼ)れる。

 津波は、高波とはまったく違う異質の波である。だから英語でも「ツナミ」と呼ばれて区別されるのだ。

 現在は地球温暖化の時代だ。温暖化による海面上昇が心配されている。その原因は、北極の氷がとけるからではない。

 じつは、北極海の氷が全部とけても、海面の高さは変わらない。氷が浮かぶのは、凍ったために体積が増えて、比重が水より小さくなったからである。

 とければ、氷は元の水の体積に縮むので、海水面が上昇することはないわけだ。海面の上昇は、温度上昇で海水が膨張する結果であるという。

 理由はともあれ、温暖化で水没を心配している島嶼(とうしょ)国にとって、津波は何より警戒すべき対象だろう。突然、海が高く膨らむのだから。(長辻象平)

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by bseqfbef7y | 2010-03-10 04:11